【WEB会議ブース(テレワークブース)】消防法に関する導入の注意点や免除条件、申請の流れなど解説 |導入担当者必見!
ウェブ会議ブースが注目されていますが、導入にあたって消防法との関係が気になっている方も多いのではないでしょうか。今回はウェブ会議ブースの概要やメリットをおさらいしつつ、消防法との関係について解説していきます。消防法の目的をはじめ、ウェブ会議ブースを消防法に準拠させる申請まで触れています。これからウェブ会議ブースの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
WEB会議ブース(テレワークブース)とは
まずはウェブ会議ブースとは何かを知るために、概要とメリットから解説していきます。
WEB会議ブース(テレワークブース)の概要
近年、新型コロナウイルスの発生によって、非接触型の勤務スタイルが主流になりつつあります。
従来のように同じ会議室に集まって打ち合わせをしづらくなり、ZOOMやSkypeなどの各種通話ツールを用いてリモート会議が行われるようになりました。
ただ、会議室が使えない場合は、周囲の音が気になったり、周囲に情報が漏れたりしてしまいがちです。そこで注目されているのがウェブ会議ブースです。
ウェブ会議ブースとは、ウェブ会議をするための個室ブースです。
外観は公衆電話ボックスのように扉が備わった縦長の直方体であり、個人が座ってパソコン作業できるくらいのスペースが設けられています。対面の打ち合わせや作業に専念するための環境としても役立ちます。
WEB会議ブース(テレワークブース)のメリット
ウェブ会議ブースでは、会議室が埋まっていて利用できない場合でも、会議室の代わりとしてウェブ会議を開催したりウェブ会議に参加したりできます。
また、同じ会社でも社内のメンバーに知られたくない会話がある方も少なくありません。たとえば、評価や異動、退職などの相談などが想定できるでしょう。
その点ウェブ会議ブースは、単なるパーティションで空間を区切るのとは違って、密閉隔離された空間を配置できます。秘匿性が求められる面談を行う際にも重宝するでしょう。
ちなみにウェブ会議ブースは各社からさまざまな商品が展開されており、選び方や種類についても把握しておく必要があります。
ウェブ会議ブースの選び方や種類、具体的な商品については下記の記事が参考になります。ウェブ会議ブースの詳細を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
WEB会議ブース(テレワークブース)と消防法の関係
ウェブ会議ブースの導入にあたって押さえておくべきことが消防法です。消防法を見落としてしまうと、トラブルが生じるケースがあります。引き続きウェブ会議ブースと消防法の関係を解説していきます。まずは消防法の概要から解説していきます。
そもそも消防法とは?
消防法は火災の予防や火災発生の被害最小化をするための法律です。目的は下記の通りです。
”この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。”
引用:消防法第一条(e-Govポータル)https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186
同法では、ホテルや病院、福祉施設といった防火対象物の関係者は、消防用設備等を設置・維持することも義務づけられています。近年は、スプリンクラーや自動火災報知機の設置義務範囲も拡大されつつあります。
消防法が改正された背景と改正点
2010年に消防法施行例が改正されましたが、国内のカラオケボックスや個室ビデオ店などで相次いで発生した火災が背景にあるといわれています。
法改正の結果、今までは一定の面積以上の施設が自動火災報知機の設置義務対象であったのに対し、面積を問わず個室に自動火災報知機の設置義務が課されるようになりました。
火災のパターンはさまざまであり、近年は凶悪な放火による火災もニュースで頻繁に報道されています。今後も火災による被害を予防・最小化するために、設備の設置に関するルールも適宜変わっていくと想定できるでしょう。
WEB会議ブース(テレワークブース)の設置も消防法の制限を受ける
事務作業のスペースを確保するための可動式ブースがありますが、消防法の制限を受けています。可動式ブースは、天井や壁に覆われ、防火対象物の床や壁に固定されておらず、人が出入りできる設備です。
基本的に、感知器やスプリンクラーヘッド、放送設備のスピーカーなどを設置しなければなりません。したがって、ウェブ会議ブースの設置も形態によっては、消防法の制限を受けるといってよいでしょう。
消防庁は可動式ブースについての設置方法について関係各所に通達しています。可動ブースの設置では、特に音圧や設置場所を考慮しなければならないとのことです。
ブース外の音響が聞き取りづらいと判断されるケースでは、自動火災報知設備や非常警報設備の警報音と、ほかの警報音や騒音が区別して聞き取れるように音圧を確認します。また、避難の支障をきたさない場所に設置することも重要です。
このように、火災の観点からは個室を安全に利用するための制限はさまざまあります。ウェブ会議ブースを導入する場合にも、火災の観点から制限を受けないかという視点を忘れずに持ちましょう。
WEB会議ブース(テレワークブース)を導入するときの消防法の注意点
ウェブ会議ブースを購入したあとに、消防法の制限を受けて設置できないケースもあります。消防法の知識がないがために、知らないうちに消防法に違反してしまい、トラブルに見舞われる場合もありえるでしょう。
たとえば消防法に違反した場合、消防本部のホームページに建物の違反情報が掲載されたり、建物の出入り口に危険を知らせる標識が設置されたりするリスクがあります。
ただ、販売したメーカーが責任を負ってくれると思う方もいるかもしれません。しかし、設置した企業が責任を負うのが一般的であり、関連する法令を確実に把握してからウェブ会議ブースを導入することが重要です。
WEB会議ブース(テレワークブース)に関する消防法の免除条件
可動式ブースに関しては、スプリンクラーや感知器などの免除条件があります。
消防庁の通知による免除条件は下記の通りです
・可動式ブースの床面積は3㎡以下
・可動式ブースの天井および壁が不燃材料で仕上げられている
・可動式ブースの外部からブース内で生じた火災を目視等で確認可能
・可動式ブース内における住宅用下方放出型自動消火装置の設置でブース内の火災消化が可能
・住宅用下方放出型自動消火装置がパッケージ型自動消火設備Ⅱ型の点検基準に応じた点検のもとで適切に維持管理されている
実際に消防用設備の免除条件が適用される製品も登場しています。たとえば、モリタ宮田工業の「霧筒(kiritutu)」というビジネスブース向けの自動消火装置です。小規模スペースにおける火災の感知から消化までを自動で行います。
ウェブ会議ブースを設置するときは、免除条件が適用されるケースがあるので、自動消火装置に関する情報も把握しておきましょう。
参考:スプリンクラーや自動火災報知機の設置が免除に(PR TIMES)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000004424.html
WEB会議ブース(テレワークブース)が消防法に準拠するための申請方法
ウェブ会議ブースが消防法に準拠するための申請方法について、判断基準やパターン、流れなどを解説していきます。
申請の判断基準
ウェブ会議ブースにもさまざまな種類があり、壁と天井で覆われた電話ボックス型であれば居室、天井がないオープン型であれば家具として扱われるのが一般的です。
ウェブ会議ブースの形態によって申請の判断が異なるので、購入する場合は所轄の消防署に確認しておくのが無難だといえるでしょう。
申請の判断基準の例として挙げられるのが、設置フロアの階層や設置フロアのスプリンクラーの有無などです。
消防署に確認をする前にも、ウェブ会議ブースの導入環境をあらかじめチェックしておきましょう。
申請のパターン
ウェブ会議ブースの導入にあたって申請が必要な場合は、特例申請を行います。反対に申請が不要な場合は、自動火災報知機後付けの相談が必要になります。
【パターン1. 特例申請】
特例申請の手続きでは、まず免除を受ける消防設備の確認をします。その後、申請に必要な書類を準備します。
具体的に必要な書類は主に下記の通りです。
・消防用設備等特例承認申請書
・建物の所在が確認できる地図
・ブースを設置する階層の平面図
・ブースを設置する建物屋根面との距離を把握できる図面
・ブースを設置する階層のスプリンクラー設備
・自動火災報知設備や放送設備などの位置が把握できる図面
・ブースの図面
・ブース施工物品の法的証明書
申請方法は各自治体によって異なるので、詳細の問い合わせが必要です。
【パターン2. 自動火災報知機の後付け】
自動火災報知機の後付けのパターンでは、まず所轄消防署にブースの図面を持参して自動火災報知設備の後付けを相談します。
その後、自動火災報知設備の取り付けについて取付業者に依頼し、ブースの納品後に施工を行ってもらいます。
申請内容に応じたWEB会議ブース(テレワークブース)のモデルを検討
ここまで特例申請のパターンと自動火災報知機の後付けのパターンについて解説しましたが、ウェブ会議ブースは申請内容によって材質や素材、取付内容などが変わるケースもあります。
ウェブ会議ブースを提供するメーカーによっては、特例申請モデルと自火報後付モデルに分けて商品を取り扱っている場合もあります。
まずは、ご検討されているメーカーへ、自社の申請パターンに適したウェブ会議ブースのモデルを聞いてみることをお勧めしています。
もし、消防法に抵触する可能性が高いオフィスには、天井がないセミクローズ型のWeb会議ブースなら導入できます。消防法のリスクがなく、設置・移設も簡単なうえ、コストも抑えられるのでお薦めです。
Web会議ブースの導入について親身に相談できるメーカー
日東工業株式会社:PRIVATE BOX(プライベートボックス)
ロビーやエントランス、オフィスの空きスペースに置くだけで、周りの声や音漏れ、視線などを気にせず、WEB会議、電話、集中して作業ができる個室ブース「プライベートボックス(PRIVATE BOX)」
イナバインターナショナル株式会社:Biz Break(ビズブレイク)
「本当にいいものをリーズナブルな価格で」 ポルシェ・フェラーリの著名な工業デザイナーが監修した、洗練されたデザインで業界一リーズナブルな個室ワークブース「Biz Break(ビズブレイク)」
コロナ禍前から企画開発し、Web会議・面談に最適な防音個室ブース「テレキューブ」です。オフィスや工場、公共の場などに累計約8,000台の設置実績を誇り、高い居住性と換気性能、安心の防音を備えており多様なレイアウト変更にも対応できる個室型のブースです。
まとめ
以上、ウェブ会議ブースの概要やメリットをはじめ、消防法との関係について解説しました。ウェブ会議ブースを導入するときは、消防法の観点も見落としてはならないことが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
消防法の概要を知ったことで、ウェブ会議ブースの設置が難しく感じてしまった方もいるかもしれません。
ただ、消防法に準拠した申請をていねいにサポートしてくれるメーカーもあるので、必要に応じて相談してみるとよいでしょう。
また、ウェブ会議ブースの導入にあたって、消防法の知識をもう少し学んでみたい方もいるかもしれません。消防設備士という資格でも関連した内容を学べるので、書籍だけでもチェックしてみると勉強になります。
ウェブ会議ブースを適切に導入して、より快適で安全なビジネス環境を構築してみてくださいね。